クールな外科医はママと息子を溺愛したくてたまらない~秘密の出産だったはずですが~



「あなたに会いたい一心でここまできました。それくらい、ずっと好きだったんです」



ずっと言いたかった気持ちを、ようやく言葉に表すことができた。

7年も想っていたなんて、気持ち悪がられてしまうかもしれない。

これをきっかけに距離を縮めてから気持ちを伝えるべきだったかもしれない。



だけど、次があるかなんてわからないから。

今言える気持ちは今言うべきだ。



自分に何度も言い聞かせながら、勇気を出して顔を上げる。

すると目の前の彼は一瞬どこか悲しげな顔をした、かと思えばゆっくりと私の体を抱き寄せた。



あの日頭を撫でてくれた優しい手が、力強く背中を抱きしめる。

ドキ、と心臓が跳ねると同時に緊張で肩に力が入ってしまう。

けれど彼はその緊張を和らげるかのように、私の髪を撫でながら額と額を合わせた。



ベッドルームの間接照明の明かりがほんのりと照らす中、彼の目に私の顔が映る。

それを見つめていると、ゆっくりと顔が近づいてそのまま唇が重ねられた。



自然とこの唇も彼のキスを受け入れるうちに、肩の力が抜けていく。



ずっと好きだった彼に、気持ちを伝えてキスをされた。なんて、夢みたい。

でも夢だとしたら、このまま醒めないでほしい。



願ううちに体はベッドの上に倒され、彼は私の首筋にキスをしながらブラウスのボタンをひとつずつ外す。



  
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