クールな外科医はママと息子を溺愛したくてたまらない~秘密の出産だったはずですが~
「ふっ……ははは!すごいなお前は、豪快だな」
「へ?由岐先生……怒らないんですか?」
「子供がしたことだしな。頼だって楽しくなってはしゃいだだけだもんな」
その反応に驚きを隠せない私に対し、由岐先生は頼の小さな頭をよしよしと撫でる。
笑って許せてしまうなんて……本当に、頼のことを受け入れてくれてるんだなぁ。
頼を包むような彼の笑顔に、また心が惹かれるのを感じた。
それから夕飯を終え、由岐先生がお風呂に入る間に私はせめてと食器洗いを済ませた。
そしてリビングへと戻ると、頼はすでにぐっすりと眠ってしまっていた。
「頼、寝たか」
「由岐先生」
後ろからかけられた声に振り向くと、そこにはちょうどお風呂からあがった由岐先生がいた。
黒いTシャツを着た、バスタオルで濡れた髪を拭うその姿は、外では決して見られないであろうオフモードだ。
由岐先生は他の部屋から白いブランケットを持ってくると、ソファで眠る頼にそっとかけてくれた。
目元にかかる前髪をそっと避ける、その指先は丁寧で優しい。
「今日はありがとうございました、助かりました」
「気にするな。寧ろ夫婦になるんだしこのままここに住んだっていいけど」
「なりませんけど!」
すかさずはっきりと否定する私に、彼はふっと笑う。
そして一度キッチンへ向かうと、白いボトルとグラスをふたつ手にして戻ってきた。