クールな外科医はママと息子を溺愛したくてたまらない~秘密の出産だったはずですが~
「それで、由岐先生がここまで……?」
「あぁ。これから仕事行くけど、夕方には頼連れて帰ってくるから。大事をとって今日はうちに泊まれ」
「なにからなにまですみません……」
この前も泊めてもらって、今回はこうして看病までしてもらうなんて。
申し訳なさからつぶやくと、由岐先生は顔を近付ける。
「せっかくなら『すみません』以外の言葉が聞きたい」
その言葉に、確かにすみませんばかり言っていることに気が付いた。
それ以外の言葉、は……。
「……ありがとう、ございます」
「よくできました」
私のひと言に由岐先生は優しく微笑むと、額にキスをして部屋を出た。
またこうして、由岐先生の存在が胸の中を埋め尽くしていく。
『大丈夫』
彼の言葉が今日も私を強くしてくれた。