クールな外科医はママと息子を溺愛したくてたまらない~秘密の出産だったはずですが~
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すっかり熱も下がり、体調も本調子に戻ったある日の夕方。

定時で仕事を終えた私は頼を迎えに行くべく、身支度を済ませロッカールームを出た。



体が軽い、健康って素晴らしい。



熱を出し倒れたあの日、私は由岐先生の家にお世話になった。

頼を連れて帰ってきた彼は、夕飯の支度から頼のお風呂、寝かしつけまでお世話を全てしてくれて……。

夜中に頼が『ママ』と泣いていたようだけれど、由岐先生があやしてくれていたようだった。



次の日には熱も下がったけれど、『大事を見て今日一日ゆっくりしてろ』とまた一日泊めてもらい、自宅へ戻ったのは二日後のことだった。



すっかりお世話になっちゃった。

それに、熱で弱っていたとはいえ子供みたいに泣いてしまって恥ずかしい。



けどそんな私のことも受け入れてくれるから、甘えてしまう。



「あ、ロッカーにハンカチ忘れた」



ふとバッグの中を見て気付くと、私は急いでロッカールームへ戻る。

そして部屋のドアに手をかけた、そのときだった。



「あーもう、由岐先生の噂が本当だったなんて超ショックー!」



聞こえてきた『由岐先生』の名前に、思わずドアを開ける手が止まる。



由岐先生の噂って……?


  
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