さくらいろさく【短編】
・桜色の日
蝉の鳴き声もピークをむかえ、夏休みも終わりに近付き始めたある日の午前中。
今朝は、いつもより涼しかった。
私はラジオ体操の帰りに、急に桜の木が見たくなり あの広場に向かった。
桜の葉は朝露が朝日に照らされて、つやつやしていて綺麗だった。
私は、章人くんの事をふと思い出した。
あの子はどうしてるんだろう…。
優奈ちゃんとは、お泊まり会の日の後も しょっちゅう遊んでいたけど、お父さんの事にも 章人くんの事触れる事は無かった。
私が触れちゃいけない気がして、聞けなかった。
…!
後に気配を感じで振向くと、
「あ…。章人くん?」
考えていた人がいて、びっくりする。
章人くんも、少しびっくりしている様だった。