さくらいろさく【短編】


「ふぁぁぁ☆」



そこには、四季よりどりの風景が描かれていた。
ここに在る桜の木も描いてあったけれど、別の画用紙に満開の桜のが何本も書き写された絵があった。



「これ、どこの桜?
ここのみたいに一本でもきれいだけど、こんだけ沢山あると、全然違う風に見えるね。私こんなに沢山見た事ない。      いぃなぁ…。」


一面の桜色に感激していると、少し照れて嬉しそうに章人君が言ったんだ。



「家の近くの公園なんだ。
大きくなったら見せてやるよ!」



そう言って、またフワフワの笑顔を見せてくれた。


私の頬もさくらいろに染まった。



章人君の絵とあの笑顔が素敵すぎて、私は次の日母にスケッチブックを買ってもらったんだ。



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