さくらいろさく【短編】
「りぃちゃん、赤いランドセル似合うわね。」
母がにっこり微笑みながら言う。
「うん!」
私もにっこり。
一年生らしく、母の笑顔に元気に答えた。
小学校に近付くにつれて、私と同じ様にぴかぴかのランドセルを背負って、親子で手つないぎ歩く子達が増えてきた。
そんな光景を目にしたせいか、なにからなにまで新しい事だらけの新しく始る生活に、心のときめきが増してくる。
「あ!」
父が広場の方を向いて、突然立ち止まった。