~狂恋~夫は妻を囲う
「真山……あー、堅一か!
知ってるよ!
彩羽の元彼だ!」
「ソイツ、殺って!」
「は?どうした?急に……」
次の日魁聖は、洋武に会いに事務所にいた。

「誰?ソイツ」
左依が問いかける。
「今、元彼だって言ってた…魁」
右京が口を挟む。
「そうじゃなくて、なんで元彼が出てくるの?」

魁聖が堅一のことを話した。

「とにかく、アレは消さねぇと!
彩羽の周りには、俺だけがいればいいんだから!
あんなゴミいらねぇ!しかも、隣に住んでるなんて、不愉快以外の何者でもねぇ!吐き気がすんだよ!?」
「わかった。でもまずは、警告程度にしとく」
「はぁぁ?なんで!?」
「堅一は、彩羽を奪うようなことはしねぇよ!二人が別れた時も、彩羽の為に堅一が別れを告げたんだから」
「は?」
「彩羽って両親から虐待受けてて、背中に大きな傷があるだろ?」
「あぁ…」
「彩羽が18の時だった。その事で彩羽が穢れたって言い出して……」
「まさかそれで別れたのかよ!?」
「そうだよ」
「普通支えてやるだろ!?」
「でも彩羽が別れを告げようとしたのを、堅一が自分のせいにすればいいからって、堅一から告げたんだ。
そうゆう奴なんだよ!優しい奴なんだ。
だから、問答無用で殺るのは俺は嫌だ!」

「だったら、俺が殺る」
そう言って、事務所を出ていこうとする魁聖。
「魁聖!!」
「あ?洋武、お前役立たずだ!
役立たずはいらねぇ……」
冷たい、何の感情もない表情。

「彩羽に言うぞ……!」
「は?」
睨み合う魁聖と洋武。

「言えるもんなら、言ってみろ!?
そうなったら、彩羽を監禁するだけだし。
もうほんとに誰にも会わせねぇ……!」
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