~狂恋~夫は妻を囲う
車に魁聖が戻ってくる。
「魁聖!良かった!このままあの人達に何かするかと………」
思わず抱きつく、彩羽。

「いろちゃん、可愛い~
俺にすがりついてくれて、嬉しい~」
「からかわないで!」
「だって可愛いんだもん!」
「帰ろ?」
「うん!帰って、手当てしようね。
後、食材は洋武に届けさせるからね!」
「え?あ、そうだ!また買いに行かないとだね!」
「大丈夫だよ~気にしないで!」

マンションに帰りつき、ソファに座らせた彩羽の足元に跪いた魁聖。
「痛い?」
何度もさすり、魁聖の方が痛そうに眉をひそめた。
「ううん。全然!ほらっ、もうどうもなってないでしょ?」
「ダメだよ!もしかしたら、後から痛みがぶり返すかも?だからちゃんと手当てしておかないと!」
そう言って、湿布を貼り包帯を巻いた。
「え……魁聖、大袈裟だよ?」
「ダメ!!いろちゃんのこんな細い腕をあんな汚ねぇ奴が触れてしかも、痣をつけるなんて……
絶対……許さない……」
魁聖の雰囲気が、黒く染まる。

「魁、聖…?」
「ん?フフ…とにかく!しばらくこのままね!
冷しゃぶは今度作って~!
今日の分のご飯は、洋武が帰ってきてくれるからね!」
頭を撫でながら微笑む魁聖だった。

「買って来たよ~!」
洋武や左右兄弟が家の中に入ってくる。
「サンキュ、洋武!」
「洋武くん!ごめんね!」
「ううん。彩羽が謝ることじゃないだろ?」
「彩羽ちゃん、食材買ってきたよ!」
「あ、ありがとう!そこ置いてて!」
「彩羽、手伝う。しまうの」
「大丈夫だよ、右京くん!ありがとう!」
「手伝う」
「そう?じゃあ…冷蔵庫に……」
「ん。わかった」
「右京くん、優しいね!ありがとう!」
「……///」
思わず、赤くなる右京。
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