~狂恋~夫は妻を囲う
「バレバレな嘘つくなよ!
だから、バカだっつんだよ!?」
「え?」
「えーと、何だったかな?
“地味で幸薄そう”だったか?」
「どうして……それを…?」
「俺レベルに合うのが、お前だって?よく言えたな!?
大した度胸だよ……!
お前、自分のレベル大きく見すぎ!!
もう……バカ通り越して、笑えてくる」
「でも!あの人だって、魁聖さんとつり合わな━━━━」
ガン━━━━━!!!!
魁聖がテーブルを殴り、ヒビが入った。

「何?今、何て言った?」
「い、いえ…何も……」

「じゃあ…もうそろそろ、消えてもらおうかな」
「え……」
「ねぇここって、洋武の管轄?」
「え?朝陽様ですか?」
「他に洋武って名前のヤクザいるの?
それに、俺も朝陽様だけど?」
「あ、はい!そうです」
「じゃあ…洋武も呼ぶか!
式部!」
「はい!すぐにお呼びします!」

「式部はいいね!すぐに俺の言わんとしてることを察してくれる!だから、好き~!!」

数分後、洋武と左右兄弟が現れた。
「朝陽様!いらっしゃいませ」
「あぁ…魁聖は?」
「奥のVIPルームです。こちらへ」
中に入ると、真っ黒な雰囲気を醸し出した魁聖がいた。
華やかな部屋なはずなのに、とても重苦しく圧迫された空間だ。
「遅いよ……洋武、左右…」
「わりぃ」
「洋武」
「何?」
「今日の洋武は賢くいてね」
「うん、で?どうすんの?」
「俺ね、コイツを消したいの」
理恵をまた顎で指した。
「わかった。俺がやる」

「フフ…いつもの洋武だぁ!洋武、好き~」
「なんか、キモいよ……」
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