~狂恋~夫は妻を囲う
「彩羽……」
魁聖が振り返り、彩羽を抱き締めた。
「うん、彩羽だよ?
魁聖、帰ろ?」
「うん」

「彩羽、後は俺に任せろ。魁聖を頼む」
洋武の言葉に、彩羽は頷いてその場を去った。

「お前等、ここであったことは忘れろ!?
いいな!!
言っとくが、これは最終警告だ!
これ以降はほんとに、死人が出ることになる。
いいか!!
今の魁聖を見てわかったろ?
アイツに躊躇や、情は存在しない。彩羽がいたから止まっただけだ」

そして魁聖と彩羽。
「魁聖…?」
「ん?もう、大丈夫だよ!
ごめんね……怖い思いばっか…」
「良かった…お願い…もう、あんなこと……やめて…」

「彩羽」
「ん?」
「言っとくね」
「え?」
「俺は彩羽が大好き!好き、好き、好き、好き、好き、好き………」
「え?ちょっ……」
「愛してるんだ」
「うん…」
「だからね、彩羽が俺のモノでいてくれるなら…あんなことはしないよ?
ただ……忘れないで…?」
「え?」
「彩羽がいなくなったら、俺は壊れてしまう」
「うん…」
「彩羽が俺のモノじゃなくなったら、彩羽の周りを全て消すから。例外なくね……?」
「え……」

「忘れないでね……?」

この時はまだ、この言葉の意味がわかっていなかった彩羽。





でも、すぐにこの言葉の意味を実感することになる。


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