猫かぶりな僕ら
　今はそんなありさと、食堂でお昼を食べている。
　これを食べ終わったら視聴覚準備室へ行かなければいけないと思うと、ハヤシライスを食べる手もなかなか進まない。

「やっぱり紬変だよ。ダイエットでも始めたの？」
「いや、そういう訳じゃ……」
「あれー、雪ノ下さんじゃん」

　お　ま　え　か。
　思わずスプーンを握る手に力が入る。顔を上げる前に小さく息を吐いて、これぞとばかりに優等生らしい笑みを張り付ける。
　するとそこには小町先輩だけではなく、背丈の高い男子生徒が数名いた。

「こんにちは、小町先輩。と……」
「こんにちは。あぁ、コイツ等はバスケ部のメンバーだよ」

　紹介を受け、軽く頭を下げる。学年の説明は受けていないけど、恐らく先輩と同じ二年生だろう。
　それに２人、知っている顔がいた。

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