猫かぶりな僕ら
(長谷(はせ)先輩と西御門(にしみかど)先輩、バスケ部だったんだ……)

 この2人は小町先輩と同じで、成績優秀者として有名だった。
 長谷先輩はポーカーフェイスで何を考えているか分からないけど、西御門先輩は軽く笑みを浮かべている。
 私の判断だと、2人はナチュラル優等生だ。

「えー、なになに、陽翔の知り合い?」

 この人は知らない。言っちゃ悪いけど、あまり頭はよくなさそう。
 その隣にいる人も誰だか分からなかった。

「隣空いてるし、俺等座っても良い?」

 そういう小町先輩は、気持ち悪いぐらい優等生らしい笑顔を浮かべていた。
 毒づいてやりたい気持ちをグッと堪えて、私も対抗して笑みを浮かべる。

 きっと私に対する当てつけだ。良くて揶揄われているんだろう。
 既に先輩を筆頭としたバスケ部の面々に話しかけられていて、周りの女子からの視線が痛い。
 平和に穏やかに学校生活を送りたいのに、悪目立ちしたら意味ないじゃないか。

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