猫かぶりな僕ら
「どうぞどうぞ、座って下さい!」

 私が答える前にありさが答える。そうだね、目の前のバスケ部みんなイケメンだもんね。
 『じゃあ遠慮なく』と、小町先輩を筆頭にトレーを持ってぞろぞろと椅子に座る先輩達。
 そして先輩は当たり前のように私の隣に座った。一応知り合いだから、周りの誰も違和感を感じていない。

「君達一年生? 良かったらバスケ部のマネージャーやってみない?」
「おい望(のぞむ)、一年の女子に手当たり次第声かけるの止めろ」
「大毅(だいき)うるさい」

 なるほど、さっき喋っていたチャラ男さんは望さんでその隣にいたのは大毅さんか。苗字はなんて言うんだろう。
 目の前に座っているありさを見ると、隣に座っている望先輩に釘付けだった。ありさのタイプはこの人か。
 適当に相槌を打ちながらお昼を食べようとすると『雪ノ下さん』と小町先輩に声をかけらる。

「――佐藤先生が、この後視聴覚準備室に来てって言ってたよ」
「――分かりました。わざわざありがとうございます」

 私達にしか分からない言葉と、仮面の笑顔で微笑み合う。
 というか佐藤先生って誰だよ、深倉山に佐藤先生って3人はいるぞ。

 あぁ、めんどくさいめんどくさい。
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