猫かぶりな僕ら
 高校生になり、私は地元で有名な進学校の深倉山(ふかくらやま)高校に通う事になった。
 特に希望した訳ではなく、中学三年生の時の担任に勧められてそのまま受験しただけ。
 そこに自分の意思はない。あるとしたら、『優等生でいよう』という気持ちぐらいかも知れない。

 進学校だけあって、私以外にも優等生が沢山いた。
 ”本物”の優等生もいて、その中で秘密がバレないように気を張るのは結構疲れる。

 秘密とは、自分が親も友人も太鼓判を押す典型的なO型で、本当は大雑把でめんどくさがり屋な事だ。

 外で優等生でいようと努力した反動なのか、家ではとことんだらけて過ごしている。
 勉強も一応するけどアニメを観たりゲームをする方が好きだし、基本的に楽な事の方が好きだった。

 昼休み。食堂でお昼を食べてから、視聴覚準備室に向かう。
 そこはほとんど人が来ず、一息つくにはうってつけの場所だ。

< 2 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop