猫かぶりな僕ら
「――……分かりました、優等生ぶっている事は認めます」
「ふん。いやー、これからの学校生活が楽しみだなぁ」

 こっちは絶望しかないよ。

 上機嫌に鼻歌を歌いながら、先輩は机の上に座る。
 そしてブレザーのポケットからスマホを取り出していじりだすと、それきり黙ってしまった。

「――……」
「――……なんだよ」
「いや、何も要求しないんだなと……」
「なに、”この事皆に言いふらしてやる”とか言った方が良かった?」
「良くないです」
「だろ?」

 小町先輩はクスクスと笑うと、視線をスマホの画面に戻してまたサクサクと操作を始める。
 しばらくそんな先輩の姿を見つめていたけど、すぐに暇になったので私もスマホを取り出して再びゲームを始めた。

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