猫かぶりな僕ら
ゆかいな仲間たち
「はぁ~……」
「どうしたのー、溜息なんかついて。幸せ逃げちゃうよー」
小町先輩から呼び出し宣告を受けた翌日、私の心と体は鉛のように重かった。
別にいじめられる訳でもなければ暴力を振るわれる訳でもないし、ましてや優等生のふりをしなくても良い。
それなのに、自分とは逆に好き好んで同族といたがる先輩への拒否反応が勝った。
(行かなきゃ教室にまで来そうだし……だるいなぁ……)
「紬?」
「あぁ、ごめんありさ。何でもないよ」
テーブルを挟んで心配そうにこちらを見つめてくる友人に、大丈夫だと笑ってみせる。
御成(おなり)ありさ――クラスは違うけど数少ない友達の一人で、かつ私の本性も知っている。
私とは違い裏表のない優しい子で、めんどくさがり屋な性格を告げた時も『そうなんだぁ』と当たり前のように受け入れてくれた。そしてそれを他の人に言いふらす事もしない。
イケメンに惚れやすいのがたまにきずだけど。