白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~
忘れ去られた妻だというのに、身体は未だに夫から愛されることを望んでいて、相反する心と身体を窘めるように、ローザベルは苦しげに呟く。
「身体検査……って、何をするの」
「お前の身体に隠し持っている武器や魔具がないか確認したかっただけだ。問題なさそうだな」
「なにそれ……服を脱がせる必要ないじゃない」
呆れるローザベルに、ウィルバーが当然のように言い返す。
「俺がお前のハダカを見たかったんだよ」
「なっ……!?」
摘まんで引っ張ってこねくりまわして。
弄りつづけたことでぷっくりと濃い色に染まり勃ちはじめた両方の乳首を見下ろし、ウィルバーが勝ち誇ったように口を開く。
「――この俺が、国じゅうを騒がせた女怪盗アプリコット・ムーンを捕まえた英雄だとよ。憲兵団は表彰され、国王アイカラスは団長である俺に褒美を与えてくれるという。俺がいま欲しいものがわかるか?」
――こんなウィルバーさまは知らない。
だけど、ローザベル以外の女性の前では、こっちが素だったのかもしれない。
ローザベルは彼の両手で胸を弄られる羞恥に顔を染めながら、「わ、わからないっ……」と甲高い声で喘ぐ。