白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~
優しいだけの愛の行為も嫌いじゃない。けれど、ローザベルは夫に秘密を抱えているのだ。
けして露見させてはいけない秘密を。
「ほんとうに君はよくできた妻だよ。こんなにふがいない俺なのに」
「んっ、あぁんっ……!」
夫の怒張がひといきに蜜口を貫き、蜜襞を擦りたてていく。結婚してから何度も交わっているにも関わらず、互いに遠慮しあったまま、それでもふたりは身体を繋げ、そこにある“愛”を確認する。
不器用にソファの上でまぐあい、ウィルバーはローザベルの膣奥で射精する。彼女の脚のあわいからとろとろと流れるのは自身の身体から泉のように湧きでた愛液と、彼から注がれた白い精液。早く子どもが欲しいと訴えるウィルバーは、妻が避妊のための薬を服用していることなど知るよしもない。
ましてや、国を守る憲兵団の長でもある王弟の末息子の愛する妻が世間を騒がす怪盗アプリコット・ムーンだなんて知ったら卒倒ものだろう。
「ローザ、愛してる……ごめんよ朝っぱらから」
「いいえ、ウィルバーさま。わたしのほうこそ……」