白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~

 魔女だと弾劾されて火炙りの刑にされるよりマシだろ、と嘯くウィルバーの声をどこか遠くで聞きながら、“やりなおしの魔法”をつかったことで訪れた惨い現実にうちひしがれたローザベルは、いつしか彼の腕にきつく抱かれながら、意識を飛ばしていた。
 一粒、頬に涙をつたわせて。
< 111 / 315 >

この作品をシェア

pagetop