白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~
「これからすみずみまで洗ってやる……昔の男の痕跡を消し去ったら、寝室で拷問のつづきをするから……」
「む、昔の男って」
「その胸の痕が何よりの証拠だ」
「違う……っあん!」
――ウィルバーさま、記憶を失う前に自分がつけたキスマークに嫉妬してる……
思わずそう言いたくなったが、ローザベルの否定に激昂したウィルバーは聞く耳持たないで尖端をつねる。にゅる、と泡立つ指先につねられて、痛みよりもむずむずした感覚に苛まれ、ローザベルは媚鳴をあげてしまう。
「まぁいい。君をたっぷり苛めながら、すべて訊き出すから……覚悟しろよ」
「んぁ……あぁんっ……ダメですっ――……!」
お風呂でも執拗に胸ばかり責められて、ローザベルは顔を真っ赤にしてウィルバーに抱えられた状態で絶頂を迎える。
けれどそこで終わりではない。彼の石鹸をまとった指先は無防備なローザベルの下腿にも迫っていた。
指でつぅっとなぞっただけで太ももをひくつかせるローザベルを面白そうに見つめて、ウィルバーは呟く。