白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~
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寝台から起こされて、いきなり口移しで飲まされた液体は結婚初夜に身体中に塗られた媚薬効果のある香油と同じ香りがした。
芳醇な果実のお酒のようなとろりとした液体がローザベルの喉を焼く。暴力的な甘さが、喉を通る都度、全身に流れていく。
「ぁ……なに、これっ……熱い……!」
「速効性のある媚薬だ。かなり甘ったるいな……君の身体で口直しをさせてくれ」
「ひゃあん! さ、さわら、ないでぇ……」
ウィルバーにさわられただけで、びくびくと身体が疼く。裸よりも恥ずかしいピンク色のガウンを着たまま、頬を上気するローザベルを、彼が持つ空色の瞳で見下ろされている。まるで夜明けのように爛々と輝いている彼の空色の虹彩が、薬で変容するローザベルを虎視眈々と狙っている。
「今度こそ、君を俺だけのものにする……俺なしの身体ではいられないくらい、淫らにしつけて」
「いぁああああっ!」
「はは、もう達してるのか……まだガウンごしにさわっただけじゃないか。そういえば朝もキスだけでずいぶん感じていたよな……もともとが淫乱だから、薬の効果でもっと敏感になっちゃったんだね」