白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~

「ぁ……ぁ、もっと……」
「なんだい? この手を止めてしまうよ?」

 楽器を奏でる手を止められてしまったら、ローザベルは先日の甘い拷問同様、放っておかれてしまう。今回は媚薬をつかわれているから、身体にこもっている熱の量も前回以上で、きっと耐えきれない。おかしくなってしまう。いまでももう、充分おかしくなっているけれど……

「止めちゃ……イヤです……ぁあんっ」
「んー。それじゃあ、君のほんとうの名前を教えて欲しいな? にいさまは、君の翡翠色の瞳を見てノーザンクロスの姫君じゃないかって言ってたけど」
「お……教えません……ひゃんっ!」
「教えてくれないと、ずっとこのままだよ?」
「っ!」

 肌に歯を立てられ、びくんと身体を弾ませたローザベルの喘ぎ声にしびれを切らしたのか、ウィルバーもズボンを下ろしていきり立った雄の象徴を彼女の太ももに押しつけていた。
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