白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~

「もう、何があっても起こっても、君を手放さないよ」

 彼女が消した、自分自身の記憶でさえ。
 ウィルバーが体験した彼女との初恋も、結婚式のことも、魔法によって忘れられてしまったけれど。

 ――それでも俺は君を愛しつづけている。

 それだけローザベルが自分にとって大切で、失いたくない存在なのだと痛感する。だから、眠っている彼女を起こして、またふたりで笑い合いたい。
 痛いくらいに勃ちあがっている分身を宥めながら、ウィルバーはローザベルの秘処へと口づける。
 すると、すこしだが彼女のなかで分泌された液体がつぅっと垂れてきた。眠っている状態であっても、身体は快楽を認識しているようで、ウィルバーは微笑を浮かべる。

「ああ、やっぱり淫乱だよ……眠りながら甘い蜜を垂れ流すなんて……俺がぜんぶ、食べちゃうよ?」

 零れ落ちた愛蜜を指先に纏わせて、ウィルバーは和毛をかき分けちょこんと顔をだした秘芽へとまぶしつける。そのまま勢いよく吸いつけば、キュン、と下腹部がひくついて、物欲しそうに蜜口から蜜を零す。
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