白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~
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――身体が、ひどく熱い。
まるで内側から焔をともされたかのような熱さ。
早くこの身体に溜まった熱を放出したいと、下腹部がキュンキュン蠢いている。その上、身体が重い。どうしたのだろうとローザベルはぱちっと瞳を見開き、愕然とする。
「ウィルバー、さま?」
「ローザ。ローザ、目が覚めたんだね!」
ズキン、と頭が痛む。身体の節々も倦怠感がある。もしかして、風邪でも引いて寝込んでいたのだろうか。
いや違う、この感覚は、性交後の……
「きゃあぁあ!」
全裸で、ウィルバーに抱かれている。
眠っている間に襲われていたことを悟り、ウィルバーを恨めしそうに見上げれば、彼もまた、申し訳なさそうに言葉を返す。
「眠りつづける君を起こすためには、こうするしかなかったんだ」
「え?」
「怪盗アプリコット・ムーン。いや、俺のローザ。君は二度目の“やりなおしの魔法”を発動させる際に、タイタスの薬を食らって、倒れてしまったんだ」
ローザベルはハッとして、ウィルバーの前で叫ぶ。
「タイタスは!?」