白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~
「人生をやりなおしはじめたよ……だけどまさか、魔法のちからで彼を赤ん坊にするなんて驚いた」
「あれは……ダドリーさまが口にされていた言葉から思いついたんです。『早くおおきくなってお姉ちゃんに追いつきたい、大人になる魔法をかけてよ』って冗談で言われて……時間干渉でおおきくなる魔法がつかえるならちいさくなる魔法だってつかえるだろうな、って」
「それ彼からしてみたら冗談じゃないから……」
そうか、あのダドリーはローザベルの前でちゃっかり口説いていたというわけか。やっぱりここはもう一度結婚式を挙げて、彼女は俺のものだと見せつけるしかないな、と心のなかで呟きながら、ウィルバーは彼女の顔色をうかがう。
「それより、体調は……?」
「全身が筋肉痛になりそうな痛みが、あります……どのくらい、抱かれたのですか」
「ほんの五回だよ」
あっさり告げるウィルバーにローザベルが顔を真っ赤にする。ああやっぱり恥ずかしそうな顔をしている。眠りつづけている彼女を抱くのも興奮したけれど、くるくる表情を変えて自分を求めてくる彼女と声をだしながら身体を重ねるほうが絶対気持ちいい。