白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~

 そんなことを考えていたからか、一度は萎えていた分身がふたたび勢いを取り戻している。その様子を見て、ローザベルが「嘘」と翠緑色の瞳を潤ませている。

「ローザ。君の薬がぜんぶ抜けるまで、俺がたっぷり愛してあげるからね。まだ、身体の奥が熱いんじゃない? いっぱいコレで掻き出して、子種を注いで淫らな熱を鎮めてあげるよ」
「……どうしてわかったのですか?」

 まだ何も言っていないのに。
 ローザベルの身体は勃起しはじめた彼の分身を見て、ふたたび熱を訴えはじめていた。これがタイタスの薬による効果だと気づいていないローザベルは、自分が淫乱になってしまったのだと思って泣きそうな顔になっている。

「そんな、物欲しそうな顔をしているからだよ……っ!」
「あんっ……! ウィル、バー、さまぁ――……」
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