白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~
参列者の目など気にせず、いますぐ花の離宮の主寝室に彼女を連れ込んで愛しあいたいとウィルバーの本能が唆す。ああもちろんさ、この誓いを終えたら、新郎ウィルバーは新婦ローザベルを愛の巣へと攫っていく。
「ローザのこの先の未来は、ぜんぶ俺のモノだからね」
「はい、ウィルバーさま……」
ウィルバーの腕に抱きかかえられたローザベルは、耳元でそうっと囁く。
「どうぞわたしを盗んで頂戴」