白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~

 ゆるやかに動き出した腰だったが、結合したままの状態で揺さぶられて、ローザベルは甘い声で啼きつづけてしまう。自分でも聞いたことのない声に戸惑いながらも、じわじわと内側から生まれる心地よさに浸食され、ウィルバーの肩に爪を立てながら、彼とともに達していた。

「ローザ、ローザベル、愛してる、愛してる……いくよ!」
「あっ、いっ、くっ……ぁあああんっ――!」

 その瞬間。
 浮遊感とともに一時的に意識を途切れさせたローザベルは、不確定な未来を、()()()()()()のだ。





 ――王を殺して処刑される、未来の夫の姿を。
< 42 / 315 >

この作品をシェア

pagetop