白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~
ゆるやかに動き出した腰だったが、結合したままの状態で揺さぶられて、ローザベルは甘い声で啼きつづけてしまう。自分でも聞いたことのない声に戸惑いながらも、じわじわと内側から生まれる心地よさに浸食され、ウィルバーの肩に爪を立てながら、彼とともに達していた。
「ローザ、ローザベル、愛してる、愛してる……いくよ!」
「あっ、いっ、くっ……ぁあああんっ――!」
その瞬間。
浮遊感とともに一時的に意識を途切れさせたローザベルは、不確定な未来を、視てしまったのだ。
――王を殺して処刑される、未来の夫の姿を。