突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!②
「家出てからも…何度もここに来ようって思っちゃった。」


杏奈は視線を車の流れに落としながらそう言った。



久しぶりに会った杏奈は少し痩せたように見えた。


髪も伸びて、根元が黒くなってしまっている、


でもやっぱり美しい。




「ああ…俺もずっと来てた。」

「そっか…」



会話は途切れ、車のクラクションがいつもよりも騒がしく聞こえる。


俺はずっと杏奈を見ていた。


久しぶりのその姿を目に焼きつかせたかった。



「有…ごめんね。嘘ついてて。私…」

「杏奈…」
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