突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!②
「お、有。遅いぞ。」


ドキン



佐倉さんの声に顔を向けると、有が向こうから歩いてきた。

私が家に帰った一昨日以来、有は一度も家に帰ってきていなかった。



「お、杏奈。今日から復帰か!とちんじゃねぇぞ。」


そう言っていつものように私の髪をくしゃくしゃにした。


「や、やめてよ!」



変わらない有の態度に安心しながらも

一昨日のことを思い出してしまう。



ひまりさんにもこんな風にしていたのだろうか…


「どこ行ってた…の?」

「ん…適当に。今日は帰るよ。また、これからもよろしくな。」


その笑顔になんとなく線を引かれたような
そんな気持ちになった。



どこに泊まったんだろう。

また違う女の人のところ?



私の頭は色々なことを考えて

私の胸はいちいち痛んで

こんな自分が苦しくて苦しくて…辛いよ。
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