突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!②
夕食を作り終わったタイミングでちょうどみんなが帰ってきた。


「あーお腹すいた。ひまりさん、ありがとう。」


杏奈さんが帰ってきてから
一週間が経とうとしていた。


杏奈さんは最初と比べて、やっと私の目を見て話してくれるようになった気がする。



週刊誌のこともあるけど
あまり変わらない様子だ。


「あの…ごめんなさい。杏奈さん。」

「え?週刊誌のこと?いいよ。別に。こんなの慣れてるし。」

「でもネットとか…」

「批判的なコメントなんて、蓮兄の妹ってだけで色々あったしね。」


そっか。
強いな…杏奈さんは。


バッシングされているのは
吉沢杏奈という存在であって、私という存在ではない。

林ひまりという存在は
彼らの周りには存在しない人物だ。


それなのに
まるで海底にいるように息苦しい。


息を吸っても吸っても
吸えてないようなそんな感覚だった。
< 187 / 192 >

この作品をシェア

pagetop