突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!②
「いいんじゃない?ここ。」

「いいかも。家賃も安いし…この家賃なら何とか生活できるかも。」


前のオンボロアパートに比べたら
家賃は高いけど、今の私はきっと昔よりもっと頑張れる気がした。


ちゃんと正社員になって、頑張って仕事をしよう。


ジュンちゃんと胸を張って
恋人同士だって言えるくらい。



そうすれば
この不安だって
きっとなくなるはず。


今は週刊誌のことで少し疲れているだけだよね。


ずっと消えないこの焦燥感をなんとかして
前向きな気持ちに変えたかった。


ジュンちゃんのそばに
いていいのか

そんなことばかり考えちゃう。


落ち着けばきっとこんな不安はなくなるはず。



「ひまりちゃん、大丈夫?」

「え?」

「今更だけどちょっと顔色悪いよ…」

「久しぶりに外出たから…だよ。大丈夫。」


マキちゃんは不安そうに私の頭を撫でた。


「ひまりちゃんはいつも我慢しちゃうから、心配…」

「マキちゃん…」

「コタ呼んで送らせるから、車で帰りな?」

「うん。ありがとう…」


マキちゃんといると安心する。


三人や杏奈さんとの生活は、なんだかやっぱり眩しすぎて

私みたいに日陰で生きてきた人間には
明るすぎるのかもしれない。


ステージのスポットライトのように。
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