図書室の彼の溺愛
「はぁ、」
お弁当箱を持って中庭へ向かう

1人で食べるのに格好の場所なのだ

「いただきます…」
寂しいな~と思いながら、ご飯を口に運ぶ



「あの……神谷…先輩!」
柊の名前を呼んだ声が聞こえて、そっちの方に意識を向ける

「何?ちょっと、人探してて、手短に頼む!」

「……す、好きなんです!か、彼女いないって、陸上部の友達から聞いて、その…つ、付き合って……くださいっ」

その言葉に驚く

1つは告白されていたこと、2つは彼女いないってこと

まだ広まってなかったって考え方もできるけど、私の頭にはマイナスなことばかり浮かぶ

「ゴメン……俺、彼女いるから…」
って言葉を聞かずにその場に蹲り、耳を塞ぐ

「あれ?図書室の先輩?」
もちろん、聞こえない、聞こえたとしても、柊のことだと思ったと思う

「っ……!?」
肩をたたかれて、声にならない悲鳴を上げる
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