図書室の彼の溺愛
「おつかれ!楓………、あれ?何か元気ない?」

私の異変にすぐにきついて、近寄ってきてくれるから、おさまりかけた涙が、また、視界をぼやけさせる

「そんなこと……ない…」

「声から分かる、そんなわかりやすい嘘初めてだよ」

我慢できなくてギュッと目をつぶったら、涙がこぼれそうになった……その時、

「泣かないで、楓が泣くとおれも悲しい…」
ぐいって手を引かれて気づいたら柊の胸のなか

「柊………うぅ……」
背中に腕を回して、涙を流す



「落ち着いた…」
涙が止まって、一息つき、声をかける

「よかったぁ」
柊が優しすぎて私には釣り合わないと思えてきた

「何があったか話してくれない?」

「ううん、何でもないから、大丈夫、心配かけてゴメンね…」
少し無理矢理笑顔を作る

「…………そっ、…か分かった、何でも言って」
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