図書室の彼の溺愛

｢何でそんなびちょびちょ？」

先生が困ったように言ってきたので、

｢花壇の花に水やってたら、手元狂って自分にかかった」
って、嘘をついた

｢全く、楓ちゃん意外とドジなんだから、気をつけなさいよ」

その通りなんです、私、しょっちゅう、ここ来てます

でも、今回はドジじゃないんだよ！って、心の中で訴えかける

｢………くしゅんっ！」
寒くて、くしゃみが出る

体は熱いのに、何で寒いんだ？

｢楓ちゃん、熱計ってみな」
体温計を渡されて、首をかしげながら、熱を計る

｢………………平熱です」
体温計の電源を切って、先生に返す

｢……あほ、嘘つくな」
体温計を見せられてため息を付く

37.9って写し出ている

｢ごめんなさい…でもでも！日向先生！あほはひどい…ゴホッ……」