図書室の彼の溺愛
「瑛大、説明してよ、」
戻ってきていた瑛大と鉢合わせした

「…………………わ、かった」

「さっきのジャージ、誰の?」

「…ふ、うの」
言いずらそうに言ってきたから、楓か萌羽から口止めされているのだろと思った

「………何で?」
聞きながら、さっきの長瀬さんの言葉を思い出し胸が締め付けられる


「楓、制服濡れちゃって、だから戻れなかったらしい」

「何で濡れたんだ?」

「……何か、水かけられたらしいよ、後輩に」
後輩……その言葉に磯野さんの顔が思い浮かばれる

「そっか、ありがとう」
そういって、教室へ戻ろうとUターンをした

「楓、風邪引いたらしい、ベッドに横になってた」

「ありがと…………あ、」
示し合わせたかのようにメールが届いた

《楓が風邪引いちゃったんだけど、家まで送っていってくれない?》

今日部活があるな…

《部活の後なら…》
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