図書室の彼の溺愛
「あ、えーーと、」

「楓のか……友達だよ」
部屋の扉がガラッと開いて燿が入ってきた

「あ!燿!……ゴホッ」
大きな声を出したから、また咳が出てしまった

「か………?…!?楓に………」

「ひゃはっ、湧がダメージ受けてる~!」
落ち込む湧となんだか嬉しそうな瑠希さんを交互に見つめる

「いやぁ、昔から湧って楓ちゃんのことになると、わかりやすくなるもんな~!」
と、湧の背中をベシッとたたいている瑠希さんは思い出したような顔をした

「か………って……もしかして…」

「違うよ…!」
燿兄は必死に誤解を解いていた

誤解じゃないけど…

「しーんさーつ!燿くん!出て行ってね、湧連れて」

「りょーかい!湧兄さん行くよ!」
ずるずると湧を引きずりながら、燿は出て行った

「その柊って人、かっこいいの?」
診察するねって言われて、おとなしくしていたら尋ねられて恥ずかしくなる

「う、うん、優しいよ、趣味合うし」

「ふふっ、こりゃ湧が落ち込むねぇ」
っていってきたから首をかしげる

思ったこと言っただけだよ?

「楓ちゃんがベタ惚れだからだよ」

「~~~~~~~!ゴホッケホッ」
恥ずかしくて声を出そうとしたけど、咳が出て苦しい
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