図書室の彼の溺愛
『父さんは?』
楓は母さんに抱きつきながら、尋ねた

これが不思議だ、お母さんなのに、父さんになる、この違いなに?

『楓、大事な話があるのよ』
母さんの真剣な様子に楓はくりくりの目をまん丸にして首をかしげた

『何…?』

『あのね、父さんとお母さんね、また遠く行くことになったよ』

『………え…また…?』
楓の声から悲しさが伝わってくる

『ゴメンね…お仕事で』

『ううっ……またお仕事………もうお母さんなんて知らない!私は湧兄ちゃんと結婚して2人で暮らしていくから!』
楓が俺のもとへ戻ってきた

『俺も一緒に暮らすぅ!』
はしゃいでいるようはむしされていた

『…楓………お土産買ってくるから、父さんのバイク湧に乗らせてあげるから…』
楓がバイク…というワードに反応して顔を輝かせる

無免許はできねぇし

『あ、無理だ…まだ17…』

『うぅ………』
免許を持っていないことを思い出したのか母さんがそういうと、楓の目にはみるみると涙がたまっていった
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