図書室の彼の溺愛
「え?そんなこと!?」

わざとらしく驚いた央太を軽く睨み、萌羽を央太からさらに離した

「確かに……大して意識してなかったかも」

ふむふむと納得している様子の柊を見て柊らしいと笑ってしまった


「俺はね~…小学校の頃、から!」

瑛大がつまらなくなったのか読んでいた本を机に置き立ち上がった

小学校の同じ私と瑛大は、いつからなんて覚えてないほどいつの間にか…うん


「ほんと、もはや3人で腐れ縁だよね…」

萌羽の肩を抱いてやれやれと首を振った

「確かに!瑛大と腐れ縁か…」

萌羽がしょぼんとしたので、はっと瑛大を鼻で笑ってやった

「え!?萌羽ひどくね!」

瑛大は中学は行ってから萌羽のことを好きになったらしく、ガラにもなく一途だ


「い~な、俺も腐れ縁に仲間入りする!」

央太がうるさいからかたを殴ってやった

そこをわざとらしく押さえ、倒れるそぶりを見せた央太を横目に睨む

「いてっ、お前、そんなんだから、女らしくねーんだよ!」

「ぁ?」と、口から小さく出そうになった


「え?そうかな?」

柊ののんびりした声が私の怒りを霧散させた


「ありがと!柊だけだよ、そんなこと言ってくれるの」

そういいながら、新しく借りる本をカウンターに置いた

「私も思ってるよ!楓くん!」

必死に訴えてくる萌羽がかわいい

意地悪く笑って萌羽を見る
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