図書室の彼の溺愛
「ヒュオ、公哉先輩の言うとおりだった」
突然口笛を吹き、“公哉”という名前を出した

「喧嘩が強くて、有段者にも物怖じしないってでも、俺、公哉先輩みたいに弱くないよ?」

……一人称が俺に変わった…

「ふぅ……勝負する?」
一旦深呼吸をし、提案をする

「……やめときます、」

「意気地無しかよ、弱虫が」

ふっと笑い、そう声をかけると、鞄を持って図書室を出た




「……またやっちゃった…」
私の悪い癖で、いらつくと口調が変わってしまうのだ

どうやら、燿もらしく、血は争えないなと、湧に笑われたっけ…

「柊にラインしとかないと…」

スマホを出し、柊に先帰る、と連絡を入れた

……もし、奏芽――名字……ジャージに近藤って書いてあったな──が言ってたことが本当だったらどうしよう…

「萌羽に相談してみよ…」
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