図書室の彼の溺愛
「すみません、遅いので失礼します」
聞き覚えのある声が聞こえて振り返る

「……………………」
そのまま反応する隙もなく……え…?

「っ、奏芽!」
柊の目が怒っていた

「嬉々を悲しませたんです、当然でしょう」

え……

ショックでぺたんと床に座り込む

「………な、なにがあったんでしょうか…飛び入り参加の男の子が…黒澤さんに…一瞬口づけをしました!」
声に出されて改めて理解する

「っ…………」
ほっぺにされて事よりも何億倍もショックで強い力でこする

「やめろ、楓」
柊が私の手をつかんだけど、振り払って続ける

「奏芽、お前殺すから」

柊は一段と強い力で私を抱きしめて動けないようにした

何で……好きでもないやつから…私が悪いの?…何で?

「……………………どういう状況かな?」
凍り付くような冷たい声が聞こえて皆が固まる

…………湧兄…
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