図書室の彼の溺愛
「え、違うの?」
柊が目を丸くしていた

「いや、どっちかかもしれないけど、湧から教わったから分からないや」

ちょうどいいと、突然言葉を発したおじさん…師範代を見つめる

「楓、組み手やってやれ」

「いや…………だから…「やれといったらやる!湧の師範はわしじゃぞ?」」
そういわれて言葉に詰まる

「着替えてくるよ、真礼おいで、着替え教えてあげる」

一番幼く、道着をうまく着れていないこの手を引いて着替えに向かった



「それでは!はじめ!」

師範の声で私は飛び出す

「破!や!」
いくつか技を繰り出し、手応えも感じる

「っっ~!」
さすがに子供たちとは違い手加減はしない方がいいらしい

「ほいや!とりゃ!」



「やめ!」

「はあ……」
息が切れていて最近サボりすぎていたなと反省する

「つっよ、楓、」
寝転がって全身で息をしている柊は今まで戦った人―湧、燿は除く―の誰よりも強かった
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