図書室の彼の溺愛

「え、黒澤気づいてなかったの?」

「気づかないよ…髪型！」

前までセンター分けだったのに今はツーぶろだよ！気づかないって！

「んえ?知り合い?」

「うん！葉瑠の……友達！」
不思議そうな顔の柊に紹介する

「いや、集まりで何度もあっただろ」
柊にあほって言われた

「むかっ…何でそんなに不機嫌なの！？」
しゅうのほっぺを左右に引っ張る

「はめろ、あわへ」

なんて言ってるか分かったけどあえてとぼけて見せた

「うわっ…ひゅう、はあせぇ！」
仕返しとして私のほっぺの引っ張られる

「お前らイチャつくな」
無表情の寛太の言葉は耳に入らなかった

「ほら！楓くん帰ろ！」
無言でにらみ合いを続けていたが萌羽の言葉で仕方なく手を離す

「…?何か不機嫌?……あ！柊、独占欲か！」
瑛大と柊がやり取りをしている前で私は萌羽の隣で本を読みながら歩く

「ちょいちょい楓くん、相談があるんだけど、」
萌羽が後ろの人たちに聞こえないように小声で話しかけてきた

「ん？どした？」
本を閉じて萌羽の話しに耳を向ける

「あの、今度瑛大が旅行行こうって行ってたんだけど、どうしよ～！」

“どうしよ～！”が大きくて瑛大たちに聞こえたんでは?と思った