図書室の彼の溺愛
「え?光季は好きじゃないの?」

柊がキョトンとしていた

「うん、ふうの話し聞いてるだけ」

にこやかにそう言ったツキの肩に抱きつく


「へぇ~」

“柊”が、感嘆の声を出すのにかぶせるように鐘が鳴った

キーンコーンカーンコーン


「……あ、鐘なっちゃった」

仕方なく借りた本を手に図書室から出る


「また、話そうね~、黒澤さん」

名字呼び……私はすぐに男友達を呼び捨てにしちゃう主義だから、少し物足りなく感じた

「楓~、戻ろ」

ツキの声で我に返り、本を広げて歩きながら教室に向かった

これが私の癖、本を読みながら、歩くの


「またやってるの?楓」

アハハって笑っているツキも本を広げていた

「ツキこそ!」

二人で並んで本を広げた

もちろん、前に気をつけながら
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