図書室の彼の溺愛
「し、ゅう…」
安心したような表情で、心なしか顔色も悪かった

手首をいたそうに押さえていて、早く病院に連れて行きたくなる

「遅くね?俺の勝ちぃ~~!」
俺よりも智輝が先に見つけてしまったが感謝はしている

「ありがとう!感謝してる!智輝、今度埋め合わせするから、そいつ頼む!お前の後輩だろ?」
早口でしゃべり、楓を抱き上げて、歩き出す

軽すぎない…?身長小さい方ではないと思うのに…軽い…

「は、離してくれない?」
うなるような楓の声が耳に響く

「なんで?」

「この体制は…皆みてるし…」
楓が体をよじったので、落ちないように、と、離さないように、と力を少し強める

「ひゃっ!」
その弾みに楓の首もとを触れると、色っぽい声が出た

「……その声やばい…」
楓の甘い声はなれない…

「ぅう~~」

「…やべ…ちょっと走っていい?」

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