図書室の彼の溺愛
「これ、ほどいてくれない?」

私も恥ずかしいけど、はやくほどいて欲しい

「あ、おう」

ぎこちない手でネクタイをほどいてくれて、私は慌ててボタンを閉めた

ネクタイを締め、ほっと一息をつく

「はぁ…、…」

安心して深呼吸をした………ら、柊が抱きしめてきた


「!?」驚いて少し暴れる

「もう大丈夫、俺が来たから、安心して、楓」

頭をなでてくれる柊に視覚が滲んだ

くちから、「ぁ…ぅ…」と弱々しい声が出てせきがきれる

「っ…、…ぅ……怖かった…………ぁ」

我慢できなくて、涙がこぼれてしまった

私は………このとき、初めて、家の外で涙を流した


「…………」

「落ち着いた?」
こくんと頷く

柊が涙を拭ってくれて視界がクリアになる

「ねぇ楓、楓は俺が守りたい…」

ダメって目を見つめられて、え?となる

どういうこと?
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