図書室の彼の溺愛

「んんん………」

だんだん意識が戻ってきて、目の前に白い光が見えた

「楓!楓!」
誰かが私の名前を何度も呼んでいる……

「柊?……」

ここはどこだ?

と思って首を動かしたら、保健室だって分かった


「良かった……楓、突然気絶しちゃって…」

だんだん思い出してきた…私…柊の前で……泣………

顔が熱を持っていくのが分かって布団に潜った

「楓?」
柊の優しい声に耳だけ傾ける

「さっきの返事今じゃなくていいから、でも、俺はもう遠慮しないんだ」

かぁぁっと、さらに顔が赤くなってしまった


「楓~!」

慌ただしく扉が開いて半べその萌羽が入ってきた

そしてそのまま布団の上からぼふっと抱きつかれた

「萌羽っ!」

今日は、瑛大とデートだと聞かされていたのだが、学校に戻らせてしまったのだろうか…

罪悪感を感じながら、顔を出す

「そんなに悲しそうな顔しないでよ~!」

デートならいつでもできるし、とぐちゃぐちゃの顔で訴えられて笑ってしまった

「そういえば、なんで柊はここにいたんだ?図書室は?」

央太が遅れて入ってきた

< 43 / 233 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop