図書室の彼の溺愛
教室の入り口から、友達の葉瑠が手をふっていた

柊から離れ、葉瑠の方へ走る

葉瑠ギリギリで立ち止まり、片手を上げる

「葉瑠!おはよう!」

「央太いる?」

意味深な笑みを浮かべた葉瑠が教室をのぞき込んで訊ねた

うん、と頷いて首を後ろに向ける


「央太~!葉瑠が呼んでる~!」

ぴょんぴょんと手を振りながら飛び跳ねる

「ん?何で葉瑠が?」

首筋をかきながら、央太が近づいてきたから、道を空ける

葉瑠は央太を手招きして、耳元に顔を近づけた

「ごにょごにょごにょごにょ」

内容が聞こえない

「お!さんきゅ!」

嬉しそうに親指を立てた央太に背を向けて席に着く

いつも内容教えてくれないんだ…

< 9 / 233 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop