初恋は星になる
星が見ているもの

蒼太(そうた)の死を知ったのは、数日前のことだった。


ベランダで肩を並べた私たちは、まるで弔いのように、彼の好きだった星空を見上げていた。


「私のせい……だよね」

「──違うって」


何かを振り払うように、陽介が首を振る。


「蒼太の母さんが、病気が原因だって説明してくれたよな」

「だけど。私たちがあんなことをしなければ、病状が悪化することはなかったかもしれない」


目尻から涙があふれたのと同時に、流れ星がスッと夜空を横切った。



『ずっと好きだったんだ、さやかの笑った顔』


遠回しの告白のあとで。


『あっ。でも、返事は要らないから。まったく、要らないから』


なぜか、蒼太は急いで付け足した。


今思えば。

病気を隠していた彼は、先は長くないと知っていたために、返事は必要ないと言ったのだろう。

あと少しで両想いになれたところだったのに。

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